2010年10月5日火曜日

プロレスの衰退と民主党の現状との類似性

いやいや、最近何だか言いも知れぬムカムカ感が続いている。民主党の現状である。日に日にガッカリしている。政権を取って約1年という経験の無さを考慮しても、「もっとちゃんとしてくれよ(T_T)」という思いになる。こんな日がまだまだ続くのだろうか?なら考えるのやめようよ、とも思うが、そうも割り切れないのです。
今日は尖閣諸島の領土問題について書いてみたい。田中良紹さんの投稿「日本の外交力について」を読んだ。相変らずなかなか面白い記事を書いていた。簡単に要約すると「外交とは嘘と謀略を駆使してポーズを装いながら裏で実益を得るものだ」という内容だった。小泉首相時代の靖国神社参拝のとき、僕は日本国内でも満足に過去の総括を得ていない問題に関して個人的な感情を「公的な立場での意思」として表現すべきではないと思っていた。今回の領土問題もそうである。日本の立場から言えば尖閣諸島は日本の領土なのかも知れない。しかし日中間の認識にはズレが生じている事は事実で、自民党政権時代から尖閣諸島の領土問題は実は曖昧にされてきていた。また漁業海域に関しては領土とはまた別であり、お互いが入り込んで構わないような両国間の認識も実はあったりする。(田中宇ニュース参照)こんな状況で、その後の国益の事も考えることなく「日本は法に則っているので正しい。中国けしからん!」とばかりに逮捕してしまうのはいささか子供じみているように思える。またその後、中国の外交圧力に対抗できずに釈放した。しかしこの間に日本が得たものは何もないではないか。それにも関わらず、いまだ前原氏・枝野氏あたりは中国バッシングを連呼する。この人達は本当に日本を思う戦略家なのか?単に自分の意見・考えを押し通しているだけではないか。ここまでの戦略面などの総括が全くされていない。そりゃいくら何でもマヌケだろ!!なので日本人の中国敵対心に火がついて渋谷ではデモ行進まで起きた。一体どうなる事やら、かなり恐い。
ここでふと思ったのが、「プロレスの衰退」との類似性である。昔のプロレスは胡散臭かったがエンターテイメントとしては最高に楽しかった。「戦いを単純抽象化したショー」だったからだ。裏ではいろいろ打ち合わせや暗黙の了解があるんだろうなぁと思いながら、なるべくそれを意識しないように観ていた。そのプロレスをつまらなくした原因として、僕は以下の3点を挙げたい。
1.プロレスラーの小型化 
藤波辰巳・タイガーマスクの登場で、ジュニアヘビー級が脚光を浴びる事になり、それまでの「プロレスはデカくて強い奴らがバチバチやる」ものという概念に新しい概念を植えつけた。そして「一般的な体格の人間でもプロレスラーになれる」というDIY精神的な考えを浸透させた。これは多くの若者に夢を与えたが、大型レスラーが持ちえるプロレスのダイナミズムはかなり失われたと思っている。
2.日本人内抗争という「内輪受けイズム」
長州力が叫んだ「かませ犬発言」により、その後のプロレスは日本人同士の争いが興行のメインになった。これが世界の超一流レスラーを日本に来日させなくなった大きな原因になった。いわば「コスト削減」である。スタンハンセン・ブルーザーブロディ・ハルクホーガン以降の来日レスラーは、ほとんど超一流とは言いがたい。いつの間にか日本人レスラーは世界の超一流レスラー(例:ブロックレスナーなど)にほとんど歯が立たなくなっていた。普段コップ内争いを主に行っているのだから、いくら努力していても限界があるというものだ。
3.総合格闘技(誰が強いかのオープン化)
前田日明・高田伸彦のUWFに始まり、パンクラスでガチンコ勝負のプロレスまで発展させた。しかしけが人は続出して興行がうまく立ち行かなくなったり、技術に走って体を大きくする事を疎かにしたりしていた。そんな中でUFCなどの総合格闘技が脚光を浴びはじめ、プロレスラーが参戦する事を余儀なくさせた。しかしルールや普段の練習内容も大きく異なるし、また外人との圧倒的なパワー・技術の差もあり惨敗を続けた。これが一番衰退を助長させたと思っている。しょせん餅は餅屋だ。時代背景上止むを得なかったかもしれないが、胡散臭いショーを続けていればプロレスもここまで落ち込む事はなかったのではないかと思う。
今はほとんど見なくなったプロレスだが、実はG1クライマックスなどたまに深夜TVを見たりする。中邑真輔なんて結構好きなのだが、...やっぱり線が細い。「こじんまり」今のプロレスにピッタリの言葉だ。
そう、ここまで書いて民主党に似ていないか?「オープン」「全員参加」「自由な意見」「白黒はっきりつけたがる精神性」。うまくいくならそれでいいし、確かに理想的ではあるが、それだけで世界とのガチンコに対抗できるのだろうか?もっとしたたかな戦略思考が必要でないかい?しかも、「オープン」なんていいながら、都合が悪くなると隠そうとする。自分の意見を覆して国民受けのいいように媚び諂ったりする。何のために政治家になったのか?と思うような人も沢山いる。もっとデカイ器の人がガツンと登場してきて欲しい。実はいると思うのだが、表に出て来ない。(来れない?)じれったいんだよなぁ。もう自民党がほぼ消滅しているのだから、民主党には本当に頑張ってもらわないと困るのだ。
最後に、今日牧野聖修国会対策委員長代理が辞表を提出して受理された。小沢氏批判などで党の一部から批判を受け、混乱を招いた事が理由らしい。今後は「自由に意見を言っていきたい」との事。これが民主党人員の大半を象徴しているように思った。彼らの自由とは「自らの言動に責任を持って自分の意思を発する」事ではなく「責任をとらない立場で自由にいきたい」という事なのだろう。まるで出来の悪いサラリーマン根性だ。もう大半の党員はご退場願いたいと思う今日この頃であった。

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