2011年4月20日水曜日

原発が日本の現状を露にする --大型工業地帯の盛衰--

僕は原発に対してこんなにも仰々しいタイトルほどの知識も無く、こんな事を書いて良いのかという疑問を自らに抱きながら、あえて書く事にした。
昨日・そして今日視聴した2つの動画がある。この2つの動画は、原発を通して日本の現状を様々な面で露にしてくれたと思っている。

1.佐藤栄佐久前福島県知事が外国特派員協会で会見

2.心からの叫び 元原発技術者菊池洋一さん中部電力静岡支店で訴えた

今日は「大型工業地帯の盛衰」について書いてみたい。「企業誘致」という言葉を聞く事がある。大企業や大型公共事業を誘致する事で地元に雇用と富を生み出し、”経済発展”する事でその地方の住民の生活を豊かにする事を目的にしたものだ。これは決して悪い事ではない。雇用を生み出すのだから喜ぶ住民も多いだろう。しかし大型であればあるほど、繁栄も大きければ衰退も大きい。
僕は3歳で千葉の君津市に福岡県から引越してきた。新日鉄に働いていた父の転勤のためだ。福岡だけでなく北海道からも君津に越してきた人達も多く、僕が住んでいた近くには地元住民よりも移住者の方が圧倒的に多かったように記憶している。社宅に住んでいた頃は、周りには福岡から転勤してきた家族が殆どで、僕は千葉に居ながら九州弁で過ごすという今から思えば不思議な環境で育った。新日鉄は当時物凄い勢いがあり、僕の家族は社宅(賃貸)から一軒家に住み替えてそれなりの暮らしをして来た。僕の父は製鉄業や地元の土地開発事業などに携わっており、農地・山を商業地・ゴルフ場などに変えていく様を自ら手がけていたと、父の葬儀の際参列して戴いた方々から聞いた。僕が引っ越してきた頃から、君津は見る見る内に変わっていった。僕もその様子を見て育った。
しかし僕が高校の頃位からだろうか、新日鉄は売り上げを下げてきた。今から思えば軍事産業の恩恵も受けていたんだろうね。工場の休止・閉鎖が少しずつ実施されるようになった。そして僕が大学に行く頃に大型のリストラが断行された。僕が小さい頃からお世話になった方々の何人かも対象になった。工場は不必要になったからといって何処かに譲る事もできないし、かと言って盛況な時は必要性もあり工場の規模は広がっていく。今は君津の社宅の一部はゴーストタウン化している。住む人もいない。少しずつ住宅街に変えようとしているみたいだが。
何事にも盛衰はあるもので、それ自体が悪いとは言えない。恩恵も受けた身なので悪いなんて言えない。でも大型化していけばいくほど衰退期の傷(リストラなど)は当然大きく、また残った使用しない工場は他の利用も難しく、農地や漁場にも戻らない。そして幼少期を過ごした僕の世代は、東京が近い事もあり、また元々地元民ではない為か多くは地元から離れていった。そうなると大きなゴーストタウンが出来上がるのだ。これは、経済成長に必死だった時代ならともかく今の時代には適合しないように感じる。もっと自然を重視し、不要な際には他利用が困難な産物を極力生まない事が重要だと思う。しかもこれから人口は確実に減少していく。地元が本当に必要な小さなコミュニティ企業を増やしていく事がこれから求められるのではないかと思う。

今、福島原発が地震と津波による災害で事故になりまだ事態の収束は向かえていない。それにも関わらず原発の新規増設が図られるような計画が噂されている。人口減少により電力需要も減る事が予想されているにも関わらずである。さすがにおかしいよね。それに原発である必然性もない。風力や太陽光などの自然エネルギー利用で良いではないか。僕は今の東北の悲劇を目の当たりにする状況下であるこの期に及んで必要なき公共事業に走ろうとする一部利権者の心理など考えたくもないのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿